事業の継続可能性と事業再生

事業の経営状況は、ある日突然悪化する・・・・・・・・わけではありません。
もちろん事情にもよりますが、通常はある程度経営状況に不安がある状況が継続し、次第に不安から現実的な課題となり、時間の経過とともに何も策を講じなければ事業継続可能性が乏しくなるのが通常です。

このように、経営状況が次第に悪化している間に、経営者の方にはどのような対処ができるでしょうか。

まずは、補助金の申請や融資などによりキャッシュフローに余裕を持たせる努力をされるでしょう。もっとも、業績が悪化していると融資にも支障がでてきます。せっかく融資を受けたとしても、経営状況が悪い状況が続けば資金ショートの危険がちらついてきます。

事業の継続可能性が問われる場面です。もちろん、経営者の立場としては、売上の増加を見込んだ営業活動や販促、経費節減等の手を尽くして立て直しを図ろうとされると思います。ただ、そのような努力にもかかわらず、経営状況が改善しない場合、そのままの経営を継続すればいずれは資金が枯渇して、破綻するしかないことになってしまいます。

資金が枯渇してしまうと、破産申立すら御願いする費用が捻出できず、連帯保証人となっている経営者も夜逃げするしかない状況に陥ってしまうかもしれません。

負債の返済が厳しいが、金融負債さえ何とかできれば経営は維持できるという場合には、民事再生や経営者保証に関するガイドラインを用いた任意整理にて、事業の立て直しが図れる可能性があります。ある程度早い段階で、ご相談いただければ、様々な視点から事業の再生を正面から検討することができるのです。資金が枯渇すると現実に採用できる手段がどんどん限定されてしまいます。

弁護士の視点から申し上げると、経営者がご自身の資産で会社の資金を補填するようになった場合や、この半年は維持できるけど、その先は無理かも・・・・・・・と思われた場合には、ひとまずご相談いただければありがたいと考えます。