SDG’sと企業法務

みなさん、SDG’sってご存じでしょうか。

最近、TVやラジオなどでも盛んに言われていますね。正式には、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)のことで、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。誰もが、今後もずっと人間にとって住みやすい世界であってほしいと願うものかと思います。これを17の目標として具体化しているのです。

このSDG’sには政府だけではなく、企業にとっても身近な課題が多く含まれています。企業の社会的責任であるCSR(Corporate Social Responsibility)については従来から言われてきたことですので、ご存じの方も多いと思います。

CSRは現在の活動に焦点をあてているものです。SDG’sは、現在だけでなく将来にわたって持続的な社会とすることを目的として、目標を定めているものです。例えば、二酸化炭素排出量の増大によって、地球温暖化が進んでいることは周知の事実ですが、これによって現に引き起こされている現象として海水面の上昇、集中豪雨の程度と頻度の増大、農作物の不作、疫病の感染リスクの増大などが生じています。これらは単なる社会的な被害というだけでなく、将来の企業活動にも現実的な支障を及ぼしてしまいます。企業活動を将来にわたって行っていくにあたり、持続可能な社会を維持していくために、このSDG’sを意識することが必要となってきているのです。

具体的に掲げられている、「17の目標」は、①貧困の撲滅、②持続可能な農業の促進、③健康的な生活の確保と福祉の促進、④質の高い教育の提供、⑤ジェンダー平等の達成、⑥安全な水と衛生的環境の整備、⑦持続可能なエネルギーの確保、⑧働きがいのある人間らしい雇用の促進、⑨産業化の促進とイノベーションの推進、⑩不平等の是正、⑪持続可能な都市及び人間居住の実現、⑫持続可能な生産消費形態の確保(作る責任・使う責任)、⑬気候変動への対策、⑭海の豊かさの確保、⑮陸の豊かさの確保、⑯平和で公正な社会の実現、⑰グローバル・パートナーシップの活性化と、到底一企業の手に負えないような高度なもののように見えます。

しかし、例えば、電力を環境負荷の低い電力販売業者を選択(⑦、⑫)したり、雇用している従業員の労働環境を整備(⑧)したり、女性や性的マイノリティへ配慮した雇用や労務管理を行ったり(⑤、⑧、⑩)と、具体的な事業活動の中で各目標の実現を目指した方針にて経営を行っていくことは、比較的容易に行うことができるのです。

このような観点を共有いただける事業者の方には、よりよい労働環境や環境負荷の低減に向けた提案を含めた提案も弊所としてはご用意させていただきます。ご遠慮なく、お申し付け下さい。